スポーツ・文化振興のなかで
秋はスポーツや文化行事が花盛りです。欧米で一流都市の資格は、大学とプロ球団とプロオーケストラをもっていることだ、と聞いたことがあります。
私が会長を務めている地元校区の体育協会が40周年を迎え、関係者をお招きして記念式典を行いました。講演をお願いしたプロ野球BCリーグ・富山サンダーバーズの鈴木康友監督と親しく話す機会があり、スポーツ振興についていろいろと考えさせられました。
プロ世界のきびしさ
体育協会は、各分野のスポーツ選手を強化育成する役目を負っていますが、富山市の地域体協は、地元住民を対象に運動会や健康増進を図る軽スポーツの普及に努めています。
市民レベルでスポーツに親しむ機会と場の提供なので目的は違いますが、少年団の野球やサッカーに励む子どもたちをみていますと、プロ世界に強いあこがれを持っています。
監督は、天理高から巨人へという輝かしい経歴はあっても、プロでは通用しなかったと述懐し、一見華やかな世界でもてはやされるのはほんの一握り、と話していました。
プロ球団三つ巴
富山市の規模で、プロバスケット、プロ野球、そしてプロサッカーチームが生まれます。果たしてうまくやっていけるのか、心配するのは私だけではないようです。
「共倒れ」を鈴木監督が一番恐れていました。スポーツの世界ほどカネがものをいい、資金づくりに富山は限られた協力企業の取りあいだと嘆いていました。結局広くうすく市民の支援を得ることに全力をあげざるをえないようです。
20代前半の青年をあずかり、生涯を左右することを思うと夜もオチオチ寝ておれないとも。勝利こそが目標であり、敗者は消えていかざるをえない非情な世界です。
芸術創造センターの存在
芸事をするには、富山市は全国でも恵まれた環境にあります。研修の場としては各地区に公民館があり、その象徴として市立の芸術創造センターの存在は、国内の関係者から「よくこれだけのものを」と羨まれています。晩秋には、各公民館で芸事の発表会があり、芸術創造センターでも芸術パーク祭が11回目を迎えました。素人芸とはいえ、玄人はだしもあり、市民の文化活動の一大拠点として喜ばれています。
舞台芸術パーク構想
芸術創造センターは、呉羽の東洋紡跡地の公園内にあり、隣接して桐朋学園大学院大学があります。本来、桐朋学園の力を借りて、オペラを中心とした舞台芸術のプロを養成し、あわせて市民の文化団体と交流して、市全体の芸術文化を興隆しようという壮大な構想でした。桐朋誘致は議論を呼び、結果的に大学院大学と桐朋オーケストラアカデミーの開設で現在に至っています。
顧みると舞台芸術パーク構想は、当初のものから大きく変わってしまいましたが、一面、市としてセミプロのオーケストラを持つことで市民の音楽文化に貢献しています。また、世界的な指揮者チョン・ミョンフン氏を招いて市民参加型のオペラ(来年公演はラ・ボエーム)を継続することで理念は生きています。桐朋学園の定期演奏会は、地道ながらも市民のなかに溶けこみ、最終回は盛況に終りました。
しかし、天分と努力だけが頼りのプロが生きる世界はきびしく、スポーツも芸術分野も同様です。加えて地方都市のハンデイは、想像以上に大きいものがあるようです。
都市の甲斐性を保つことは容易なことではありません。
投稿者 管理者 : 2007年11月28日 09:50