注目される光と影
廃線予定の鉄道を低床式路面電車(LRT)に衣替えし、マイカー時代の転換を試みる富山市は全国から注目を集めています。富山ライトレールは4/29で一周年を迎え、私の地元でも自主的なイベントで歓迎ムードを盛り上げました。開業後は予想をはるかに超える利用者数で沿線のみならず、公共交通の再生策やコンパクトなまちづくりで市全体に活気がみられることはうれしいことです。(左:岩瀬運河をわたるポートラム)
便利さと不便さ
ライトレールの便利さは、お年寄りの外出のきっかけを与えたことは確かです。反面、並行する定期路線バスが廃止されて一部地域が不便になり、不満の声がたかまっています。高齢者がおでかけ定期券を使って中心商店街へ直接行けなくなったことも重なりました。
ライトレールには以前の倍以上の利用者があることを見ても地域全体に寄与していることは明白です。が、局部的に問題が起きているので、地域で受益者負担もふくめてどのような解決策があるか、真剣に模索しなければなりません。
スーパーが消えると
以前に「安心で住みよい町とは、潰れないスーパーがあること」と書きましたが、まさか私の足もとで起こるとは思いもしないことでした。40年前にできた市初のゲタばき団地は、日常品が全て賄える公営住宅として人気が高かったものです。昨年スーパー店撤退が引き金になって、いまや商店街のアーケードから人影が消えています。
駐車場不足やスーパーの規模が商売に合わなくなったことなどが原因ですが、200戸の団地住民に与える影響は大きく、なかでもクルマに乗れない交通弱者には深刻です。路線バス廃止も商店街不振の原因にあげる人もいます。耐震調査の対象にもなり改築時期が検討されるなど、地域にとっては大きな問題になってきました。
次の一手
計画当初、不安視されたライトレールもこん日の盛況振りで、沿線住民も乗客の目を意識してか裏庭の手入れをしたり、駅周辺で朝市を興すなど、地域への意識が芽生えて効果は上々です。ライトレールのご祝儀的な関心と初年度サービスもなくなるので、今後も利用者数を保てるのか注目されていますが、いろんな材料もあり私は余り悲観をしていません。
水辺の魅力
地元小学校では、地域の変化を授業の教材に取り入れています。昨年は「ライトレール」、今年は「富岩運河」をテーマとのことです。これから地域の関心が何に向かうかを端的に表わしています。いまやライトレールといたち川・運河はわが校区のシンボルなのです。
富山市は昭和初期に富岩運河を掘り、港を分離し周辺に工場地帯を造り、都心部廃川地を埋め立てて、現在の富山市の骨格を作りました。一時埋めることも検討されましたが、時の知事の英断で残され、中島閘門上流は今春でほぼ整備が終っています。
市長は米国サンアントニオへ視察予定ですが、現地の水辺空間を学び富山に新たな魅力をどう引き出せるか、ライトレールの更なる人気につながるだけに注目されます。
投稿者 松本弘行 : 2007年05月01日 09:14