公共交通問題の核心へ
JR高山線を増発し、あわせて各駅周辺整備と中心街や企業・住宅団地までの連絡をフィーダーバスや乗合タクシーでつなぐという、国内では初めての壮大な社会実験が始まりました。早朝の始発テープカットをし、終点・猪谷駅まで市長と往復しましたが、各駅は動員があったにせよ、歓迎ムード一色でした。
交通政策の問題性
為政者なら誰もが高齢社会をにらみ、地域内移動をどうするかに着目しない人はいないはずです。が、一たん手を染めれば命とりになりかねない難事業だけに、手をつけないのが常識でした。廃線同様の鉄路をLRT化し、新幹線開業時に市内軌道と結ぶという政策は、成算があったにしても、市長としては真剣そのものでした。それは、従来の行政手法を捨て、自ら昼夜かまわず市民に訴えた姿勢に現れています。
高山線活性化の意義
従来の5割程度の列車本数を賃借して既存鉄道の利便を図る、という今回の試みは、新型車両で一新したライトレールのような話題性に欠け、短期の成果は期待できません。けれども、新市になった鉄道拠点を中心に歩いて暮らせる町を展開しようという、公共交通を軸にした「コンパクトなまちづくり」にその本領があります。交通政策は国の許認可事業なので走りながらの事業展開ですが、クルマ社会からの転換と高齢化社会への意義ある挑戦だけに熱い期待をしています。結果次第で私鉄へもユメが広がって行きます。
市長の正念場
創意にあふれる森市長は、様ざまな試みで大かた成功してきました。まちづくり事業の成功例といわれる「内にとじこめた青森市」と外に展開する富山市がその対象例として全国的に注目されてきています。公共交通利用へ市民意識を変えることが基本ですが、ライトレール同様、市長みずから市民に理念を語り、訴えることが成否をにぎります。その意味で市長の正念場は、まさにこれからです。
韓国ソウル公演
首都ソウルで八尾のおわら、五箇山のこきりこ、山の村の獅子舞という富山・南砺・飛騨各市の民俗芸能を披露し、飛越への誘客を計ろうと各市の市長・議長と同行しました。おもえば意外な組み合わせですが、富山と飛騨は川筋の行き交いは古く、八尾と利賀は隣りあって今でも交流は密です。合併を機に共に交流を深める観光都市連合は、一年後の東海北陸道の開通をひかえた観光戦略の一環であり、強化策として効果的な催しでした。
首都中心地の水辺空間
今回の公演会場はソウルのど真ん中でしたが、驚いたことに目の前の橋下から川水があふれ、市民の一大行楽地になっていました。聞けば、以前のドブ川を覆っていた高速道を壊し、漢江からの水を誘引浄化して、川を再生したのだと聞きました。富山市中心地にも松川・いたち川が流れています。思い切った発想と投資があれば、市民の憩いの場と水辺を活かした観光地として創出できることを実感しました。
投稿者 松本弘行 : 2006年10月30日 22:32