運河の水辺空間とLRTを活かしたまちづくりに取り組む富山市議会議員・松本弘行のWEBサイト

猛暑のなかで

長い梅雨が終わったら、八月は連日の猛暑。最後まで熱い戦いを見せてくれた甲子園野球も終れば、もう秋の気配がしのび寄ってきます。お盆の前後、各地の森を見て回る機会に恵まれたことは、ありがたいことでした。

山田地区のブナ林
牛岳山頂から続くブナ林を、地元の方々の案内で見ることができました。かって、ふもとの二方向から登山をしましたが、このルートは初めてです。
全国的にブナの原生林の働きが注目されています。樹域が比較的高いところなので「緑のダム」としての保水機能や源流の治山対策から、保全の動きが活発化しています。東北の「白神山地」が国内初の世界遺産に指定されたことは、記憶に新しいことです。
県内では、立山町のブナ坂や小矢部川源流のブナオ峠は知られていますが、今回これだけ広大で美しいブナ林が市内にあることに驚きました。そっとして置きたい反面、もう少しアクセスと安全面を整備して、ブナ林がもつ役割りと美しさを多くの市民に理解してもらいたい思いに駆られます。とくに、子どもたちには体験させたい絶好のフィールドです。
ブナ林が終り、手入れの行き届いたスギ林に囲まれた平坦地に、東屋が立てられています。聞けば小学校の分校とグランド跡地とのこと、かって子どもたちが学び、村人の生活があったことがしのばれ、感傷的になりました。
 
伊那谷と木曾谷
中央アルプスをはさんで天竜川の伊那谷と木曾谷は、古来ヒノキの名産地です。お盆まえに木曽駒ヶ岳登山をかねて、ふたつの谷あいの現状を見てきました。
駒ヶ根市役所で説明を聞いていましたが、用材としてのヒノキは価格が違うのか、目の届くところ手入れが行き届いています。南木曽(なぎそ)町の資料館へ行って、ますますその感を深めました。木曾ヒノキの管理は、天領・ご料林・国有林とかわってきましたが、美林の育成は伝統として受け継がれているようです。飯田市から飯田峠・大平(おおだいら)峠をへて木曾谷へ出ましたが、見渡すヒノキ林はいずれも美しいものでした。
ふもとの大平集落は、妻籠・馬込宿の賑わいにくらべ、廃道同然の飯田街道に面して夏場だけ宿を供しているようで、トンネルによる新道開削は村全体の運命を変えました。要所には斉藤茂吉、長塚節など文人の歌碑が多いだけに歴史の峠として残したいものです。

熊野古道
熊野は過去にマイカー通り過ぎと観光ツアーだけで、時間をかけて歩いたのは初めてです。大雲取越えコースは約8時間、高低差がはげしいので、あの藤原定家は駕籠にかつがれているくせに「この世の道に非ず」と音をあげています。
那智大社へ出ましたが、途中はほとんど昼なお暗いスギ林でした。世界遺産の指定のせいか、間伐がすすみ、倒されたままのところもありますが、2m位に切りそろえて数本づつ集めてあり、荒れた感じはしませんでした。植林も随所で見られ、カシ類の照葉樹が二次林をつくりつつあります。人がつくった森は、人手がかかることを実感しました。
終日森のなかを歩きつめ、天涯からまっすぐに落ちる瀧に出逢ったときは、神威にうたれました。そして黒潮うつ明るい太平洋。熊野の闇と光を体験した生涯忘れえぬ旅でした。

投稿者 松本弘行 : 2006年08月22日 08:07