議長就任後
思いがけず宮中で陛下に拝謁の栄に浴すことができ、首相官邸の見学や、全国議長会でポートラムの写真入り名刺を使う機会を得るなどで目まぐるしい5月でした。なかでも後援会や中学、高校の同期会で議長就任を祝っていただき、皆さんから心あたたまる祝意を頂戴したことは、望外のしあわせでした。心から感謝申し上げます。
6月議会の焦点
富山ライトレールに議論が集中しました。それは高齢化を背景に、広域化した市内の移動をどうするのか、もうひとつは市全体のなかでまちづくりをどう考えるのか、という問題を提起しています。立案中の富山市総合計画基本構想の重要テーマです。
公共交通問題の難しさ
当初から予期されたことですが、この問題は市民に等しくサービスしなければならないという宿命をかかえています。ライトレールによって富山市北部に交通の利便だけでなく、さまざまなまちづくりの動きがでてきました。当然、恩恵に与からない地域から不満がでてきます。北部の地域内でも、バス路線の廃止によって一部不便地帯から強い復活要望がでています。ましてマイカーに頼っている山間地にいたってはなお更です。
モビリティ(移動)への展望
日常生活でクルマの恩恵は計り知れません。けれども、他の文明の利器と違って、いつかは手放さなければならない代物です。ライトレールはその時のために、今から利用しやすい公共交通網を都市の装置にしておこうという、いわば交通政策のさきがけ事業。従ってこれには、鉄軌道だけでなくクルマも使いながら、生活に不便をきたさない社会を創ってゆくという時間のかかる遠大なプランのはじまりといえます。
ここで大切なことは、モビリティの問題は、現状で私企業だけでは支えきれず、行政との連携と支援が欠かせません。公費負担に批判がありますが、もはや交通問題は福祉の観点もあわせた理解と支持が不可欠になってきました。
地域社会でできること
ゲンキで鍛えられた世代が高齢者の仲間入りをしてきます。私はこの人たちの力を借りて、地域内で停留所(駅)までの近距離をマイカーか貸与車で助け合うという仕組みができないか、時間をかけて研究をしようと呼びかけています。課題が多いのですが、行政サービスを要求するだけでなく、地域にあった自助努力が求められる時代になってきました。
都市政策の課題
うすく広がった郊外地から、効率のよい中心市街地に人口を誘引しようという「まちなか居住」と鉄軌道の駅を拠点とした「歩いて暮らせる(コンパクトな)まち」を進める政策は周辺地域の空洞化につながらないか、これは今議会で議論された注目点です。
人口減への懸念
今までのまちづくりの流れをみていますと、都市は常に時代の要請で伸びたり縮ませたりしながら、新たな機能をそなえ中心として総合力を高めてゆくようです。
ただ中心市街地の周縁部に高層住宅計画が続出し、身の丈にあった都市の景観と秩序が保たれるのかという疑問も出されました。土地に密着する農山村と商工業の集積によって人口が肥大し続ける都市部とは自ずと違いますが、ここにきて基本要因が狂ってきています。
すでに始まっている人口減少と超高齢化は、これから策定される総合基本計画に大きな影を落とすことは間違いありません。
投稿者 松本弘行 : 2006年06月20日 18:44