議長就任と衝撃的な二つのできごと
3月議会最終日に満場一致で推薦を受けて、合併後の富山市第2代の議長に就任いたしました。3年前と2年前に就任の機会を逸しましたが、今回は長年の悲願であった富山ライトレールの開業時にめぐり合い、感慨もひとしおのものがあります。大変うれしいことであり、ご支援頂いた皆様にこころから御礼を申し上げます。
それにしても予想外に多くの方々に喜んでいただき、選挙の当選とは違った議長職の重みを痛感しています。ごあいさつ回りや雑事のためレポートが遅れてしまいました。
原発中止判決
稼動したばかりの志賀原発に金沢地裁が、地震に対する安全性に疑問があるとして運転差し止めの決定を下しました。私は地元の北陸電力に原発2号機が加わり、電力の安定供給に明るい見通しがついたことを喜んでいた矢先なので、思わず絶句しました。
これは一電力会社の問題ではなく、原発事業全般への問題提起であり、早々に結論が出るとは思いません。確かに従来の発電方法とは違い、核分裂を封じ込めて利用するために事故がおきれば、局部に止まらない深刻な影響が出ます。それだけに安全対策が最優先することは当然です。ただ、日本は唯一の被爆国であり、放射線にさらされる被曝(ひばく)に対してきわめて過敏になっています。一部の動きは原子力利用そのものを否定し、現に欧州ではそれを鮮明にする先進国もあります。
いま地球温暖化や原油高で原発には追い風といわれます。が、単に目先的なことでなく、原子力を制御し安全に利用する技術を開発することが、わが国の使命と思われます。それにはたゆまない研究とそれを可能にする国費の投入を理解しなければなりません。
今回の判決は、原発の安全性について一石を投ずるものですが、過剰反応で国の方向を見失うことがないように推移を見守りたいものです。
いのちの終え方
射水市民病院の延命中止問題が報道されたとき、とっさにこれは全国的な事件になり、担当医師が犯罪者扱いされてしまうことを憂えました。私にも高齢の父がおり、病院での見聞や自分の老後観も含めて延命問題に、強い関心があったからです。
医師の立場と私たち診てもらう立場、世話になる立場とは、おのずと違いますが、ひとが生を終える時については、いうに言えない複雑なものがあると思われます。終末の呼吸器をつけた身であるなら本人の意思は確かめようがなく、生きる望みのない現実を家族がどう受け止め、医師にどのように判断してもらえるかにかかるからです。
生きるとはなにかを真摯に問う緊迫した場面で、医師に情緒という安易なものが入る余地がないと思われます。家族と医師のあいだでいのちの終え方を共に考える苦渋に満ちた決断があったはずです。まして、報道陣が結果に対して複数の遺族に取材をすれば、時の経過で答えが不明確になり、問題が複雑化するのは目に見えています。
日がたつにつれ、主治医の人間像や家族・患者の印象、病院内の人間関係などが明らかになってきています。決して触れてはならない世界とは考えませんが、このようなかたちで表面化した以上、いままで暗黙の合意であいまいだった分野に光をあてて、よい方向に向かうように願わずにはおれません。
投稿者 松本弘行 : 2006年04月03日 08:58