運河の水辺空間とLRTを活かしたまちづくりに取り組む富山市議会議員・松本弘行のWEBサイト

大運河の存在

景気も底をうち、それを見込んだ株価が過熱気味になったとき、ライブドア・ショックが株式市場全体に冷水をあびせました。
私はある会の挨拶で「これは日本全体が立ち止まって考えるいい機会。小中学生までがパソコンでマネーゲームに興じるようになったらもうおしまい。わが国の基本は、いままでもこれからも堅実なものづくりにあるからです。」と偉そうなことを言ってしまいましたが、本音です。

●運河の功績
豊富な水力発電をてこに、今日の産業都市富山の基礎をつくったものに、富岩運河の開削があります。神通川河港の東岩瀬から、水位調整のため中間点のパナマ式中島閘門(現国の重文)をへて富山駅北まで約5キロあまり。昭和初期から事業化され、河川港の分離、中心部の廃川地埋め立てと区画整理、運河周辺に基幹産業群の形成と、思えばときの大陸政策があったにしても、以後の富山市の近代化にかかわったことは紛れもない事実です。

ところが重厚長大型の工場が息をひそめると運河自体が無用化してきました。国内のいずこの運河もたどった運命です。ご多聞にもれず閘門上流の埋め立てが計画されましたが、新時代の風潮と知事交代による決断で命拾いをしています。閘門から上流はほぼ再生整備がおわり、今年末までに残る小運河の工事も完了する見通しです。

●運河の実体
工事が終われば、以前のドブ川視された運河は完全に払拭されます。けれども、邪魔ものあつかいされてきただけに、見た目はきれいになっても市民からは離れた存在になっています。最近問題化した閘門上流付近のダイオキシン汚泥をふくめて、運河自体が近代化の負のイメージで見られていることにあるようです。おそらく市民の多くが、運河の存在すら知らないといっても過言ではありません。

●運河の活用
富山商工会議所の中心事業に「価値創造プロジェクト」があります。一言でいえば、埋もれている価値を洗い直し、磨きなおして、内外にも知って貰おうというもの。それは、「まず地元が地元のことを知る」ことが基本であることはいうまでもありません。

富岩運河PRの事業として過去に「全国運河サミット」がとやま自遊館で開催されました。今回、同じ場所で「運河のまち、これから」というテーマで今後の活用について、識者の討論会がありました。4月末開業の富山ライトレールと並行する運河の価値をまず地元に知ってもらう機会ととらえ、私は半年まえから構想を練り、今回の司会をつとめました。

この種のフォーラムは、開催することで世間の耳目を引くという効果以外に、パネリストが真剣に考えたことが参加者に伝わり、全員の意識づけにつなげることが何より大切です。基調講演も要を得て、運河の存在意義、ライトレールとの関連、これからのまちづくりの理論づけ、また討論ではパネラーから夢のある展望、にぎわいづくりの提案、現状の問題点の指摘など多岐にわたり整理に苦労しましたが、おおむね好感されたようです。

パネラーから「運河に市民のこころが向いていないのでは・・」この一言は今回の核心を突くものです。すべてがここから出発するものかもしれません。痛い指摘だったと地元の人から聞くだけでも、やりがいがあったと自己満足しています。

中島閘門

投稿者 松本弘行 : 2006年01月23日 09:31