運河の水辺空間とLRTを活かしたまちづくりに取り組む富山市議会議員・松本弘行のWEBサイト

豊かな秋

10月は秋真っ盛り。議会もなく公私ひっくるめて行事が続き、息つく閑がありません。
なかでもお祭りや直接関係する催しが、天気に恵まれて思ったように終えると、気分が充実します。秋は天候の爽やかさも加わって、豊かさを感じる季節といえます。

● 知られていない希少価値
地元に関心を持ち、ふるさと意識をたかめようという趣旨のふるさと講座(10回)、今年のテーマは「水辺をさぐる」。今回は、「水辺の生きもの・野の草の観察」で神通川河原植物園まで、途中の富岩運河の水鳥や神通川河原の植生の特色を、講師の方の説明を受けながら散策しました。当植物園は、一流域の河原植物を集めていることでは全国ただ一つ。
内容の地味さもあって来園者が少なく、参加者で初めての人が殆どでした。地元探訪といえば新鮮みに欠け、講師のてまえ参加者が心配でしたが、応募40名。地区センターの発案で「いも煮会」を目玉にしたことが功を奏したようです。日頃見過ごしている身近な自然観察に加えて、希少な場所でユニークな催しとして好評でした。これを機会にとかく地域行事に受身がちだった地区センター職員に意欲が見られたことは何よりの収穫でした。

● 公共交通活性化フォーラム(10/15県民会館)
市民団体主催の公共交通を軸とした地域の活性化策をテーマにしたフォーラム。北陸三県から150人位の参加者があり、フロアからも活発な意見の応酬がありました。
なかで気がかりだったのは、富山ライトレールの北部地区への片寄り、そのことによる採算性と公費投入への疑問、沿線地域の総意にいたるまでの議論不足などが質問者や司会者から出たことでした。
私は、JR富山港線の路面電車化は、あくまでも富山駅高架化による既存の市電との接続が前提であり、路面電車の南北公共交通軸として中心市街地の活性化やあたらしいまちづくりの政策であること、老齢化の著しい北部地区では医療、介護施設への移動の問題として要望が高かったことを発言で指摘しました。
参加者はおそらく、電車やLRTの鉄軌道が好きであり、公共交通の必要性を人並み以上に理解しているものの集まりと思われます。そのなかでも「今なぜ路面電車なのか」という疑問符があることを重く受け止めました。それはまだまだクルマの恩恵から離れられない現状と、生活全体がクルマに依存しなければならない都市づくりの咎めを感じます。
それでも大多数は、富山ライトレールが既存レールを使用するとはいえ、一部中心市街地に乗り入れ、全車両を一新してイメージチェンジすることは他ではできないことであり、この実験が国内の注目を浴びていること、ぜひ成功させなければならないことで共通していました。問題は、沿線住民だけでなく、いかに市民のみならず、国内外の利用者を増やすかにかかっています。ライトレール沿線の景観や緑の欠如、立山連峰の眺望が話題になりましたが、むしろ目的地への動機づくりこそ問題の核心です。具体的には終点「岩瀬の港町にぜひ行って見たい」という魅力づくり。それには住民の意識改革と行政の富山湾遊覧と富岩運河周遊ができる条件整備が必要です。
市長の唐突と受け止められがちな路面電車化決定でしたが、国の制度をフル活用し、行政としてその後の素早い対応をみるにつけ、この決断にあたっては、慎重熟慮があったと思われます。その意味でライトレールは、明らかにまちを変えて行きます。ただ、高齢化の進展や欧州の現状を鑑みて、公共交通の維持に公費との兼ね合いをどうするかは、今後の大きな課題になってきます。ライトレールへ市民の熱い期待と不安、いずれにしても関心の高まりは、秋の実りとして歓迎すべきものです。

投稿者 松本弘行 : 2005年10月16日 20:47