9月議会から見た富山市の課題
民主党にとって歴史的な大敗は、自発的な奮起につながったようです。何事も「ひとり勝ち」はいい結果を生みません。勇み足を抑えるチェック・アンド・バランスは、政治の世界では必要なことです。
代表に40代の前原誠司氏を選んだことは、若返りを印象付けて歓迎されます。前途は多難ですが、「日本のブレア」として激動する中央政界に活を入れて欲しいものです。
● 合併特例債の行方
合併による行財政の効率化という鞭に加えて、ニンジンといわれる起債に有利な合併特例債は約600億円。借金に変わりはないけれど内7割は、国が地方交付税で面倒をみてくれます。4月に合併した富山市は、今後10年間で約500億円を有効活用していきます。合併特例債は、6月の当初予算では手付かずで、今議会の新市一体感づくりの中で市長の政策的な扱いが注目されていました。
ここで問われるのは、新市全体のなかでどこに重点配分して活用するかという判断です。もともと合併の中心である旧富山市は、平成26年の北陸新幹線開業に向けて、公共交通整備にあわせて富山駅周辺の大改造や中心市街地の再開発に着手していました。当然のことながら当初予算では通常債だったものを、今回は有利な合併債に振り替えています。結果として45億円余の内7割を占めることになりました。
私は合併議論のなかで「旧富山市民には少なくとも10年間は、いままでの行政サービスは下がらないだろうけれども、6倍に広がる市域の7割に当たる森林と河川の治水対策を考えれば、従来のサービス低下を覚悟しなければならない。」と訴えてきました。
自治体が競ってハコモノをつくるという時代は、この合併で終わらなければなりません。合併債の活用として市長は、環日本海の雄都として求心力のある県都づくりに重点配分し、旧町村には今回自治の場となるコミュニティセンターの建設費もありますが、森林を初めとする環境対策に比重をおくことで方向を示しました。妥当な判断と評価します。
● 言わんこちゃない
旧町村との一体感に関して「総合行政センター(旧町村役場)は、いちいち本庁に伺いを立てなければならない、単なる出先機関か」という与党議員の質問に市長の答弁は異例でした。市長とすれば合併協議のなかで、旧町村の自立性に配慮して地域自治区の導入を提案したのに、受け入れられなかった。今さらになって・・。
振り返れば、人口も財政的にも強大な旧富山市に対し、自治区的な存在は無理があります。ジレンマを抱えての出発ですから、メデタシで納まるはずがありません。指摘されるような威圧感は本庁内でも問題視されて、改善が検討されていたようです。市長のしゃべり口調を交えた本音の答弁は、従来とは異質な質問論調に誘発されたと思われます。これらのやり取りを経て、時間をかけながら合併効果が醸成されていかなければなりません。
● 市職員の行政能力アップ
合併の効果は、結果的に市民が合併してよかったと実感することですが、その条件を満たすには、市民の納める税金が効率よく使われるシステムをつくることにあります。現状では500名弱の余剰職員をかかえていますが、私は今年度中につくる計画案に市民の強い期待がかかっていることと、新設の職員研修所でひとり一人の能力アップを図ることを強調しました。人員削減した適正規模で能率をあげるには、各自の行政能力を上げるしかありません。安泰であった役人の世界にも時代に応じた自己変革の波が押し寄せています。
投稿者 松本弘行 : 2005年09月23日 20:44