運河の水辺空間とLRTを活かしたまちづくりに取り組む富山市議会議員・松本弘行のWEBサイト

真夏の出来事から_その2

イベントはお天気次第。8月19日の午後は、富山駅北ブールバール(並木大通り)から富岩運河環水公園にかけては不運でした。この日はアート・サマーフェスティバルと銘打って夏の終わりを最高潮に盛り上げようという富山市文化事業団の初めての試み。
世界の大道芸人が集まって10ヵ所あまりで多彩な洗練された芸を披露。前宣伝も行き届いて、富山では馴染みのない大道芸のおもしろさに、大勢のひとが群れて楽しみました。
どれを見ても個性があり、これから佳境という時に夕立で中断。なかでもフィナーレの呼び物、運河環水公園でのスティール・ドラム演奏は、本場カリブの実力メンバーだけに期待が大きく、運河の賑わいづくりでイベント開催を働きかけてきた私には大ショック。急遽オーバードホールへの変更は、宣伝にこれ努めてきた手前、結果はどうなることか。

● オーバードホールはじまって以来
緊急事態でタダということも幸いしてホールはほぼ満杯。始まりからドラム缶楽器だけの迫力のある合奏と生気にみちたリズムに会場全体がひきこまれました。この種のオーケストラは、カリブ海のトリニダード・トバゴが発祥地ですが、今回のメンバーに指導を受けている南砺市福野町のスキヤキ・スティールドラム・オケは国内でも知られた存在です。
ドラム缶でどうしてあれほどの音が出るのか誰もが不思議がります。カラクリは缶のへこみのなかにさらに10あまりの窪みを造って、ひとつのドラムに2オクターブ半の音域をつくり出せたこと。ビブラホーン(鉄琴)をドラムの蓋の凹みにとりこんだといえば分かり易いかも。楽器のユニークさや選曲もさることながら、黒人奏者のソウルフルな演奏は聞き手を興奮させます。後半からそのマジックのとりこになった観客は熱狂。若者や子連れの若夫婦は総立ちになり、わが子そっちのけの乱舞になりました。オーバードはじまって以来ともいえる興奮のルツボは、うらみの雨がもたらした予期せぬ効果でした。

● 富山市文化事業団の方向
それにしても、オーバードホールのここ一年の企画の変化は、めざましいものです。
ひとつは、舞台の多様な使い方。目玉の三面半舞台を使いこなすことは、それに見合う演出の作品に限られ、これからの課題です。むしろ広すぎる舞台の上を客席とし、役者と観客の一体感を図り、演劇ホールとしての使い方の可能性を探っていることは評価されます。
もうひとつは、わかりやすく楽しい企画の提供。市民の幅広い好みに応えながら、できるだけの質を維持した内容で、多くの市民がふれることが地方文化のアップにつながるという意図は、今回のイベントをみても明らかです。
さらに加えて、減少してゆく予算のなかで演目の選択も格段にシビアにしていること、企業への支援依頼に力を入れるなど、この世界にも世間並みの風が吹きはじめました。
この変化は、これまでの芸術至上傾向から大衆路線への転換との見方があります。が、今回のはねたあとの帰り道「今度の公演で若者文化の活力を見た。いいものには皆が共感する。いろんな企画を模索して市民の賛同を得るべきだ。これからの駅北は元気のいい芸術と文化の発信地に、そんな街にしなければネ」という知人の指摘がその答えといえます。

投稿者 松本弘行 : 2005年08月22日 20:42