身近なタカラものを知ろう
梅雨あけが近づくと、集中豪雨に見舞われたところは大きな被害をこうむります。
そんな心配を一身に受けるかのように各地のダムはこの時とばかり生命感を漲らします。満水したダムから吐き出される水の迫力を見ていますと、まさにダムは生きているのを実感しますし、見ているだけで体中に感動を覚えます。
● ダムの宝庫
富山県は宝庫です。1時間も車を走らせれば大方のところへ行けます。先日も庄川の小牧ダムに駆けつけたら17門のゲートを全開してまことに壮観でした。
● 熊野川ダムの機能アップ
先般、市議会自民党の勉強会で県から講師を招き「熊野川ダムの機能向上事業」の説明をうけました。簡単にいえば、熊野川支流の黒川ダム中止と熊野川ダム水道利用の変更により洪水調整にしぼりこんでダム自体の働きを高めようというもの。本来、熊野川ダムは、将来の水需要を見込んだ多目的ダムでしたが、人口減の予想で水道利用はなくなり、加えて黒川ダム中止によって代替機能の強化を図るものです。
● ダム建設の見直し
黒川ダム建設計画の中止は、費用対効果からいっても止むをえないと思われます。防災対策として無駄なダムとはいえませんが、莫大な建設費を考えれば既設の熊野川ダムの改善策(洪水調節の吐き出し口を約3m下げる)の方がベターです。
● 宇奈月ダムの連携排砂
先日、私の地元の方々を案内して十二貫野用水見学の途中、宇奈月ダム脇を通りました。いまの時期になると黒部川のダム排砂が問題になります。上流の出し平ダムと宇奈月ダムは、ダム自体の寿命と下流の河床荒廃を防ぐためにダムの底に排砂できる構造になっています。大雨をみはからって二つのダムが連動してゲートを開けますが、排砂は川の環境を変える、魚が寄り付かないと漁業関係者からクレームがつきます。そのために専門家も交えた対策委員会が設置されています。難しい世の中になってきました。
● ダムの効用
身びいきかもしれませんが、ダム好きなものにとっては、ダムそのものが自然と対峙する人間の英知のシンボルと思わざるをえません。建設は環境に影響を与えるだけでなく、人家の移転も伴いますので、計画には慎重を期す必要があります。けれどもダムは水力発電にしろ潅がい用、上水道用、洪水対策用とひとが生活する上での安全と安心の効用は計り知れません。富山の今日あるのも先人の労苦の結晶であるダムの賜物なのです。
ダム無用論が大勢を占めるなかで国内での大規模ダム計画は終わったとみられています。それだけにいままでのダムの存在は貴重です。気づけば私たちの周辺には、機能もすがたも優れたダムが無数に存在しています。この時期、自然の猛威に超然とたち向こうダムの雄姿を見るにつけ、身近にあるタカラものにもっと注目したいものです。
投稿者 松本弘行 : 2005年07月17日 20:38